トヨタ生産方式(TPS)とリーン思考

トヨタ生産方式の考え方とリーン思考に共通するのは、後工程=お客様への価値(品質・納期などのニーズ)が最大化できる為の理想の姿を明確にした上で、その実現を阻むムダを排除していく顧客目線の手法であるということです。

後工程引取り

後工程引取りとは、後工程が必要なものを必要な数だけ前工程から引取り、前工程は後工程に引取られた分だけを生産する仕組みのことです。これは後工程(=お客様)の需要に基づいた生産を行うためです。

少人化

「少人化」とは、顧客の要求数量の変動に対して、作業者の数を変動することで生産性を維持できるような生産ラインをつくる活動のことです。これに似た言葉に「省人」という言葉があります。これは、自働化の原則となっており、設備が自ら異常を発見して停止することで、監視する「人」を「省く」ということです。

タクトタイム

「タクトタイム」とは、1日の定時稼働時間を1日の生産必要数で割ったものです。顧客の要求に合わせた必要数を、製品1個あたりどのようなペースで造るかのターゲット時間を示します。

小ロット生産化

「小ロット生産化」とは1つのロットを小さくするために段取り替え時間を短縮し、製品の切り替え頻度を上げる活動をいいます。そうすることで、ロット生産工程と1個流し工程との間に溜めておく必要がある仕掛在庫の量をどんどん小さくすることができます。

工程の流れ化

工程の流れ化とは、1個の製品が前工程から後工程へと停滞せず、後戻りせず、すいすいと流れるようにする活動です。

稼働率と可動率

トヨタ生産方式では一般的な稼働率(のぎへんのかどうりつ)ではなく、可動率(べきどうりつ)を指標とすることで、「造りすぎのムダ」を発生させずに「価値の流れ」にムダがないかを管理しています。

ムダとは

トヨタ生産方式の考え方とリーン思考で共通するのは、活動の前提として生産におけるムダを定義することです。ここで定義されたムダを顕在化し、改善することが目的となっています。

IT(IoT/AI)と改善

改善は”標準化”に始まって、”標準化”に終わります。標準化とは”しくみ化(=ルールを定めること)”です。例えばよく聞く”5S”も標準化の一種です。

トヨタ生産方式(TPS)の基本原理

トヨタ生産方式(TPS)とは、トヨタ自動車工業(当時)の大野耐一氏や鈴村喜久雄氏らが生産ラインのムダを徹底的に排除するために確立した生産方式のことです。この中では7つのムダを定義し、それらを排除するために「ジャストインタイム」と「自働化」を2本柱として体系化された手法です。
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